もしも 。。。
視聴者から人気のテレビ番組の裏には、テレビマンたちの努力がある。彼らは予算も時間も人も少ないバラエティー番組でヒットを飛ばすために、多くの「ムリ」を超えてきた。
「ぴったんこカン?カン」「中居正広の金曜日のスマたちへ(金スマ)」というTBSの2大看板バラエティー番組は、彼の手から生まれた。バラエティ制作部長の阿部龍二郎(49)。プロデューサーらを束ねる親方的な存在だ。
「ぴったんこカン?カン」のかぶりもので現れた。「笑っていいとも!」(フジテレビ系)にも、この姿で出演した。
「ほら、やっぱり作り手は、表に出ないほうがいいから」
入社当時は報道局を志望していたが、ニューバランス スニーカー「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」にアシスタントディレクター(AD)として配属された。
「何度も上に掛け合ったんですが、『おまえはバラエティーだ』と言われて却下。もっとも、報道を目指したのは、『ニュースステーション』に憧れたから。ミーハーですから」
以来、「ザ?ベストテン」「ギミア?ぶれいく」「史上最強のクイズ王決定戦」など、一貫してバラエティー?音楽畑を歩んできた。ただ、バラエティーでありながらも、笑わせつつ、泣かせる。そして、リアルな現実を見せてしまう。そんな「金スマ」に代表される“阿部テイスト”は、社会派目線を秘めるがこその味なのだろう。
その阿部が「思い出のムリ超え」と振り返る番組がある。2001年から年1回放送されている「クリスマスの約束」だ。
「当時担当していた『うたばん』で、僕の大好きな『さよなら』を歌ってほしいと、小田和正さんに頼みに行きました。答えはノー。それでも食い下がったら、小田さんから『新しい形の音楽番組を作るのなら』と」
小田の頭にあったのは、お互いにリスペクト(尊敬)し、認め合うという趣旨で、一流のアーティストが一堂に会するライブ形式の音楽番組。出演依頼も自ら買って出て、一人一人に自筆の手紙を送った。しかし、アーティストたちからの返事は、すべて「辞退」。企画は進んでいる。出演者はいない。阿部は上から叱られる――そんな苦境を一変させたのは、小田のひと言だった。
「俺がひとりで歌う」
リスペクトしているアーティストたちの名曲を、ニューバランス レディース小田は一人で歌った。ファンの間で語り継がれる第1回の放送は、こうして誕生した。この番組は大きな感動を呼び、のちのカバー曲ブームの先駆けになった。
「あんなにたくさんの感動のお便りを、視聴者からいただいたことはなかった。ムリ超えのコツがあるとすれば、それは信じること。僕も小田さんの本気を見て、信じたからこそ超えられたのだと思います」
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