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1年の汚れを落とす大掃除のシーズン、必需品はやはり掃除機。紙パック不要のサイクロン式で人気の英ダイソン、ロボット式で有名な米アイロボットの「ルンバ」など、近年目立つのは外資系の製品だ。対抗馬として国内トップシェアのパナソニックが発売したのが「ハイブリッド」。コード、コードレスの両方で使用でき、どちらも同等の吸引力を持つ。日本車同様、掃除機でもハイブリッドは世界の主流になるか。
 パナソニックのハイブリッド掃除機は高出力のリチウムイオン電池を搭載し、コード式でもコードレスでも使用できる。交流と充電両用は家庭用としては初めて。年末商戦の主力商品として10月20日に発売された。コード式は吸引力が高い半面、コードが家具に引っかかったり、移動の際にコンセントをはめ直したりすることへのストレスがある。パナソニックのアンケートでも回答者の7割超がコードレス機能を「欲しい」と答えたが、コードレスには「パワー不足」「充電切れ」などへの懸念があることも分かった。
 そこでパナソニックは、しっかり掃除したいときはコード式で、コードが届かないか電源がない場所ではコードレスで使えるという「いいとこ取り」の掃除機を企画した。商品化での最大のハードルは電池だが、この分野はパナソニックに強みがある。パワーが求められる電機工具や持続力が求められる電気自転車など、各種用途向けリチウムイオン電池を製造してきただけに、掃除機に最適なパワーと持続力を両立させた電池の開発に成功した。
 この電池は業界最高電圧を実現。また電池本数が、これまで主流だったニッケル水素電池の約3分の1でまかなえるため、従来のコード式掃除機よりも200グラムの軽量化と全長で約58ミリの小型化を可能にした。充電は本体ごとでも電池のみでも可能。1回の充電で15~20分使用でき、1500回まで充電可能な耐久性も備える。吸い込みノズルも改良し、コードレスでもコード式同等の吸引力を発揮する。また電池にはUSBポートが搭載され、スマートフォン(高機能携帯電話)などの充電が可。災害時などの非常用電源機能もある。
 パナソニックが自信を持って送り出したハイブリッド掃除機だが、外資系を中心としたライバルたちが次々と新商品を展開中だ。ダイソンは一般的なコード付き掃除機より優れた吸引力を発揮するコードレスタイプを9月に発売。従来モデルの1?5倍のパワーがある新型モーターを搭載した。スウェーデンのエレクトロラックスが手がけるコードレス掃除機は、電池搭載部分を取り外し、ハンディ掃除機として使える。操作性を向上させた新商品を10月、世界に先駆け日本で発売した。
 ロボット型では、シャープが会話のできる掃除機「ココロボ」を展開。標準語のほか、関西弁や英語、中国語にも対応した新モデルを12月に発売する。スマホでの遠隔操作もできる。パナソニックのハイブリッド掃除機は店頭価格10万円前後と、決して安くはない。だが海外勢との激しい競争下で、掃除機市場はライバルがひしめき合っている。消費者の購入欲を一番「吸い寄せる」のは、どの製品か-。
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